琳派をめぐる三つの旅
おはなし名画シリーズ

琳派をめぐる三つの旅

本体価格 ¥3,200(税別)

B4変型判 64ページ
作品点数 36点

琳派の祖とされる俵屋宗達のおおらかな絵画。
江戸中期に人気をあつめた尾形光琳の大胆で力強い絵。
江戸後期に脚光をあびた酒井抱一のやさしく細やかな絵。
3人の個性あふれる作品をお楽しみください。

琳派とは江戸時代に活躍した俵屋宗達や尾形光琳、酒井抱一などの絵師に代表される芸術の流派の一つです。
彼らの描く絵はやまと絵という古くからある日本の絵の流れを汲んでます。日本に伝わる物語を題材として使いながら、更に工夫が施され、その作品はとても力強く、魅力に富んでいます。

(宗達)
琳派の祖とされているのが、俵屋宗達です。1600年代の前半に京都で絵屋を営んでいた町絵師ですが、生まれた年も、死んだ年も、家族のことも、どのようにして絵師になったかも、殆ど分かっていません。ユーモラスで大らかな個性が良く表れた動物の絵、当時の書の大家・本阿弥光悦と一緒に制作した美しい作品、そして国宝の「風神雷神図」などが有名です。

(光琳)
琳派の中心的な絵師である尾形光琳は1658年に京都の裕福な呉服屋に次男として生まれます。幼いころから宗達や光悦の作品にも身近に触れて成長しました。光琳は宗達の作品から多くのことを学びました。「風神雷神図」の模写もしています。

「燕子花図」屏風には華やかで思い切りの良い光琳らしさがよく表れています。
光琳が本気で絵師を志したのは40歳ころと遅い出発でしたが、40代中頃にはこの「燕子花図」屏風が生まれ、絵師として世の中に認められます。

(抱一)
酒井抱一は宗達や光琳とは違い江戸の絵師です。1761年に姫路城主酒井家の次男として江戸の大名屋敷で生まれました。40歳のときに光琳との絵と出合い、自らも画業に専念するようになります。

抱一は尊敬する光琳の模写をいくつも残しています。自分なりの工夫を加え、自分の絵の世界を切り開こうという意欲もありました。
「夏秋草図」は光琳の「風神雷神図」の屏風の裏に描かれた作品です。雷神の裏には雨に打たれる夏草を、風神の裏には野分に吹かれる秋草が描かれています。表と裏とのつながりを持たせ、さらに天と地、神々と自然、空白の使い方まで対比させています。
表の華やかな金地に対する裏の渋い銀地からは「江戸の粋」が感じられます。

江戸で生まれた抱一は光琳画との出会いから雅な古き時代への想いをつのらせていきました。
しかし、抱一は伝統的なやまと絵の世界にも常に新しさを求めました。

琳派は親から子へ、師から弟子へと受け継がれた流派ではありません。しかし、彼らが残した作品とそこに宿る精神は互いに通じ合っています。
純日本的なやまと絵の流れを汲む彼らの作品は生活の様々な場面で使われ、生活を美しく彩ってきました。

おはなし名画シリーズの「琳派をめぐる三つの旅」は、36点の作品と分かりやすい解説でこの三人の江戸時代の絵師の人生を辿り、その絵を楽しむ旅です。

(ちょっとだけ中身の紹介)

俵屋宗達の国宝「風神雷神図」。主風神と雷神力強く描きつつ、空白を広々と使っています
光琳
光琳の大胆で力強い「紅白梅図」屏風はクリムトにも大きな影響を与えたと言われています

ポイントがお得な『楽天ブックス』で買う
返品本を40%オフで買う(3冊以上お買い上げの場合)
返品本を50%オフで買う(商品特定含む3冊をお買い上げの場合)

読者より

「琳派をめぐる三つの旅」を読んだ小学2年の孫にせがまれて、国立博物館の琳派展に行ってきました。孫は目を輝かせて見入っていました。孫が親に感想をつたえる姿を見て、この本をあげて本当に良かったと思いました。文はわかりやすく、絵はきれいに印刷され、こういう本はめったにないと思います。

博雅堂出版宛のお便りから紹介しています。おはなし名画を読んで興味を持ち、美術館で本物を観て感動する。本当に素晴らしいことだと思います。