3分で分かるアンリ・ルソーの生涯
アンリ・ルソーは1844年フランスのラヴァルという町に生まれます。子どもの頃のルソーは習字や朗読、そして歌や絵がとても得意でした。小学校では沢山の賞状を貰っています。でも、ルソーは16歳のとき、学校を途中でやめてしまいます。お父さんの仕事がうまくいかなくなったためです。ルソーは美術の学校へ進みたかったのですが、そのこともあきらめなくてはありませんでした。
19歳になったルソーは軍隊に入ります。それから24歳になるまでルソーはずっと兵隊でした。
でも、画家になる夢を忘れたわけではありません。兵隊としてはじめてパリに行ったとき、ルソーはこう思いました。
「いつかはこの町に住んで絵を描いて暮らせたらいいのになぁ。」
25歳になったルソーは軍隊を辞め、憧れのパリへと出て行き、そこで20年以上もの間、税関吏(ドワニエ)として働きました。この仕事は朝から翌日の朝まで寝ないで続ける大変辛い仕事でした。でも、一日働くと次の日は休むことができたので、ルソーは休みの日に好きな絵を少しずつ描き始めるようになったのです。
41歳になったルソーは初めて自分の描いた絵を展覧会に出してみました。ところがルソーの絵を見た人は「なんて下手くそな絵だ。おかしくて涙が出る」といって笑い転げました。それでもルソーはますます熱心に絵を描き続けました。そして誰の絵でも飾ってくれるアンデパンダン展に出展し続けたのです。
ルソーが森に住む動物たちや南国の植物の絵を描くようになると人々はルソーの絵の素晴らしさに気付き始めました。60才を過ぎてルソーはやっと画家として認められるようになったのです。人生最後の作品は「夢」です。ルソーの大好きだったもの、動物や鳥たち、花や木や葉っぱ全てが描かれています。この絵を描きあげた年、ルソーは足の怪我がもとで病気に罹り、66歳でこの世を去りました。
今では素朴派芸術の巨匠とされるアンリ・ルソーですが、生前は嘲笑の的でした。そんな中、早くからアンリ・ルソーの魅力に気づいていたのがモンマルトルのアトリエ「洗濯船」に集まっていた若い芸術家たちでした。その中にはピカソやアポリネールもいます。彼らを通じてマリーローランサンとも交流がありました。様々な才能に影響を与えて20世紀美術の礎を築いた偉大な画家の一人です。
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