モナ・リザの魅力とは?なぜ人を惹きつけるのか|山田五郎先生の解説で読み解く
モナ・リザは、なぜこれほどまでに人々を惹きつけるのでしょうか。
その魅力は、大きく分けて次の3つにあります。
・表情が変化して見える「謎の微笑み」
・どこから見ても目が合うように感じる視線
・見るほどに引き込まれる繊細な描写技術
これらは、単なる技術の高さだけでなく、画家 レオナルド・ダ・ヴィンチ の性格や制作環境とも深く関係しています。ダ・ヴィンチの特異な性格と制作姿勢が重なった結果、偶然ともいえる形で生まれた作品なのです。
本記事では、山田五郎先生の解説をもとに、その魅力を分かりやすく読み解いていきます。
完璧主義ゆえに作品数が極端に少なかった
ダ・ヴィンチが67年の生涯で制作した油絵は、20点にも満たないとされています(動画では14〜15点と紹介されています)。これは、同時代を生きたミケランジェロと比べても極端な少なさです。その理由の一つが、彼の徹底した完璧主義でした。
・納期を守らない
・注文通りに描かない
・納得するまで手を止めない
こうした性格から、依頼主とのトラブルも多く、技術は高く評価されていたにもかかわらず仕事の注文は決して多くありませんでした。そのためダ・ヴィンチは、仕事を求めて各地を転々とする生活を送っていたのです。
モデル消失が生んだ「誰でもない人物像」
モナ・リザは当初、フィレンツェの裕福な絹商人の妻をモデルとして制作されました。しかし、ダ・ヴィンチが納期を守らなかったため契約は破棄されてしまいます。この結果、彼はこの作品を手元に置いたまま各地を移動し、生涯にわたって加筆を続けることになりました。長い時間をかけて描き続ける中で、この肖像画は次第に特定の人物を描いた肖像画から、「普遍的な理想の女性像」へと変貌していったのです。
山田五郎先生は、「モナ・リザは誰でもない人物像となり、見る人の個性が反映されるようになった」と説明されています。
だからこそ、見る人によって印象が変わるのです。
技術の極致|20回以上の塗り重ねが生んだ表情
技術的にも、モナ・リザは特別な作品です。ダ・ヴィンチは、薄い絵具を何度も塗り重ねることで、滑らかなグラデーションを生み出す技法を追求しました。多い箇所では、20回以上も塗り重ねが行われています。
絵具が乾くのを待ちながら重ねていくため、膨大な時間が必要になりますが、この作品には納期の制約がありませんでした。その結果、徹底的に完成度を追求することができたのです。この技法によって、顔の輪郭ははっきりとした線を持たず、見る角度や光の当たり方によって表情が変わる作品が出来上がったのです。
そのため、
・怒っているようにも見える
・笑っているようにも見える
という、見るたびに変化する不思議な表情が生まれました。
モナ・リザの表情は「偶然」と「必然」の産物
モナ・リザのやわらかく曖昧な表情は、
・完璧主義によって制作が長期化したこと
・モデルがいなくなり、理想像へ変化したこと
・技法の極限までの追求
これらが重なった結果として生まれました。
つまりこの作品は、計画的に作られたものではなく、ダ・ヴィンチの生き方そのものが生み出した作品ともいえます。モナ・リザは、何百年経っても新しい発見を与え続ける特別な作品なのです。
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