ブリューゲルのバベルの塔:なぜ神様は怒ったのか?(山田五郎先生のオトナの教養講座)

この動画のテーマは「バベルの塔」です。「バベルの塔」は旧約聖書にあるお話で「人々が天まで届くような塔を建てようとしたところ、神様が怒り、人々の言葉をバラバラにして話が通じないようにして、全地に散らばらせた」というものです。

なぜ神様は怒ったのでしょう?このような疑問を持つ子どもも多くいるようです。そんなときは歴史的背景から説明してあげると良いかもしれません。

「科学の時代」を迎える前、世界は「宗教の時代」にありました。人々は、いつの日か全知全能の神が救い主を遣わして、人間には解決できない問題―戦争、貧困、病気、死など―を解決してくれると信じていました。そのような世界観のもとでは、人間が「神の領域」に足を踏み入れることは傲慢だとして戒められていたのです。「バベルの塔」以外にも、人間が傲慢さゆえに罰を受けるという神話はいくつもあります。

今は「科学の時代」です。科学の出発点は、「私たちは何も知らない」という謙虚さです。今持っている知識は間違っているかもしれないという批判精神、客観的な観察、数学的な裏づけが重視されます。そして、かつての人々が「神をも恐れぬ」と眉をひそめたような挑戦にも現代の科学者たちは果敢に取り組んでいます。

私たちは、いつか戦争や貧困、病気、死といった問題を本当に解決できるのでしょうか?それとも、破滅への道を歩んでいるのでしょうか?「おはなし名画をよむまえに」の「バベルの塔」を読みながら、お子さまとそんなお話をしてみるのも楽しいと思います。

さて、山田五郎先生の動画では「バベルの塔がノアの洪水の後に建てられた」という点に注目して神様の怒りの理由を説明しています。

第一の説(旧約聖書より):塔を建てるのは「人々を一箇所に集めるため」であった。これが今後、洪水を起こさないためににノアが神様と結んだ「産めよ、増えよ、地に満ちよ」から始まる契約に反している。このことに神様が怒った。

第二の説(ユダヤ古代誌より):バベルの塔の建築を主導したのはノアのひ孫で、その目的は「今後、洪水が来ても大丈夫なように高い塔を建てる」というものであった。これは神様への復讐であり、その人間の不遜さに神様が怒った。

知識の深さがさすがでした。背景にノアの箱舟の話があるというのも勉強になりました。

バベルの塔の絵は16~7世紀にネーデルランドの画家達によって大量に描かれていますが、その中でもブリューゲルのものが、建築学的正確性と美しさにおいて、群を抜いてレベルが高く、当時の建築技術を知る上でも大変貴重なものです。

バベルの塔

他にも「なぜ16世紀から17世紀にネーデルランドでバベルの塔の絵が量産されたのか?」「バベルの塔はなぜ丸くなったか?」「その原形はローマのコロッセオにあるのではないか?」など山田五郎先生の話題は尽きません。是非ご覧になってください。

「おはなし名画」の「ブリューゲルと村びとたち」もお薦めです。

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