音楽を描いた画家 パウル・クレーの「パルナッソスへ」
パウル・クレーの代表作《パルナッソスへ(Ad Parnassum)》とはどんな作品なのでしょうか?
一言でいうと「音楽を絵で表現する」という試みの到達点ともいえる作品です。色と形の集まりにも見えるこの絵ですが、そこには“音楽のような構造”が隠されています。
なぜ「パルナッソス」なのか?
パルナッソス山は、ギリシャ神話において音楽と詩の神アポロンとミューズたちが住む聖地とされています。つまりこのタイトルは、「芸術の頂点へ向かう」という意味を持っています。さらに「Ad Parnassum」という言葉は、音楽理論書のタイトルとしても知られており、この作品が音楽と深く関係していることを示しています。

この絵は「音楽」そのもの
この作品の最大の特徴は、無数の小さな色の面が組み合わされていることです。それはまるで音符が並び、響き合っているような構造です。美術史では、この作品はしばしば「ポリフォニー(多声音楽)」のようだと説明されます。
つまり、
- 一つひとつの色=音
- 全体の構成=音楽
という関係になっています。
クレー自身、音楽家の家に生まれ、バイオリンを演奏するほど音楽に親しんでいました。
だからこそ彼は、音楽を“聴くもの”ではなく“見るもの”として表現しようとしたのです。
山の形に隠された意味
画面中央に大きな三角形の山が描かれていますが、実際のパルナッソス山は台形に近い形をしています。クレーにとって大切だったのは山の形ではなく、この山の持つ意味合いだったのでしょう。この三角形はクレーがエジプト旅行で感銘を受けたピラミッドの影響が大きいとも言われています。同時に建築物のような安定感も感じます。
この作品は、
- 神話(パルナッソス山)
- 音楽(ポリフォニー)
- 建築(構造美)
が融合した作品といえるでしょう。
クレーの芸術観
クレーはこう語っています。
芸術とは、見えないものを見えるようにするもの
この作品はまさにその言葉どおり、
- 音
- リズム
- 内面の感情
といった「目に見えないもの」を色と形によって可視化しています。
この作品の楽しみ方
絵この作品は、「意味を理解する」だけでなく、「感じる」ことで魅力が深まります。
たとえば、
- 音楽のように感じるか
- リズムを感じるか
- 静けさを感じるか
といったように、自分の感覚で受け取ることが大切です。クレーの絵は、見る人それぞれの中で“音楽のように響く”作品なのです。
この記事を書くにあたり、山田五郎先生の動画を大いに参考にさせていただきました。大変、興味深い内容ですので是非ご覧になってください。
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