「おうちで出来る芸術体験」が大切な理由(ビジュアル・リテラシーを育てるために)

いわゆる「なぜなぜ期(2~6歳位)」の子ども達は旺盛な好奇心で身の回りのものを観察して、質問を繰り返します。この時に大切なのは答えを教える(知識を与えたり、考えを押し付ける)ことではなく、子どもの持つ好奇心を肯定してあげることと、自分で考えるように導いてあげることです。そうすることで養われる「好奇心の赴くままに注意深く観察する力」や「気づいたことや疑問に思ったことを表現する力」をビジュアル・リテラシーと言います。

全ての学びの基礎になるビジュアル・リテラシーは伸ばすにはアートが身近にある環境がとても大切です。アート作品には様々な時代や文化の人々の体験や想像が描かれており、そこにはアーティストの感情や意図も込められています。それ故にアート作品を観る人の反応や解釈は様々です。正解はありません。

現代ではアートは美術館など日常生活から切り離された特別な場所で見るもので、正しく理解するには専門的な知識が必要だと思われがちです。勿論、アートを楽しむために特別な知識は必要ありません。

おはなし名画をよむまえに」は子どもが「おうちで芸術体験」を出来る最適のシリーズです。「アートに触れる最初の一歩」としてご活用ください。

一緒に絵を眺めながら「この絵には何が描かれてる?」「何をしているんだろう?」などと問いかけてあげると親子の会話が弾むでしょう。

子どもの気づきや感想はどれも間違いではありません。言葉足らずなところは補足しながら、子どもの気づきをより明確に言語化してあげることで表現力が伸びます。更に「どうしてそう思うの?」と理由を聞くことで子どもの思考力の発達を促すことも出来ます。

一通り子どもの話を聞いた後に「ほかに何が描かれている?」「もっと分かることはある?」などと更なる観察を促すことも有効です。子どもが本来持っている集中力や観察力が更に育まれます。

※この記事はニューヨークのMOMA(Museum of Modern Art)で開発されたVTS(Visual Thinking Strategies)の考え方を参考にして書きました。